□設立の主旨
「やまがた福祉移動サービスネットワーク」は、市民の手で地域生活交通を支える移動サービス団体、事業者の設立・
法手続き・運転者の指導、訓練等のサポート活動を通して「移動の自由は基本的人権」との考えのもと、すべての市民
へ安心安全な移動手段を提供することを目的に活動しています。
□生活交通と移動サービス
日常生活を営む上で、移動は欠かせないものですが、地理的条件や身体的条件、そして加齢にともない移動が困難な
地域や人々が居ます。
地理的条件で移動が困難な地域は多くの場合、営利企業であるバス会社は経営上の理由で路線を廃止してしまい、その
地域に生活している人々は取り残されてしまっています。一方、障がいや加齢によって公共交通を利用できず、移動が
困難な人々が居ることも否定できません。
私達「やまがた福祉移動サービスネットワーク」ではこれら課題解決のお役に立てないものかと調査・研究を重ねてい
ます。
【活動例~山形市明治・大郷地区&中山町の場合~】
山形市北部に位置する明治・大郷地区では、路線バスの廃止により地域の方の通学や外出の手段が失われたことか
ら、「やまがた福祉移動サービスネットワーク」が協力して地域住民が主体となった大郷明治交通サービス運営協
議会を立ち上げました。現在、デマンド型交通「スマイル・グリーン号」を走らせています。デマンドタクシーと
は、サービスが必要な方を自宅や指定場所から目的地まで、乗り合いタクシー方式で送迎するサービスのこと。
明治・大郷地区と近隣の漆山地区と山形市街地間を、水曜日と金曜日の週2日、9便往復運行していた「スマイル
・グリーン号」は平成28年10月24日からは中山町延伸運行を開始し、運行日も週2日から週3日に拡大されて
より利便性が増しました。(単独自治体内ではなく、複数の自治体を運行する地域交通の先進事例となりました。)
やまがた福祉移動サービスネットワークでは、他地域のデマンドタクシーの実践例の研究やアンケー調査に協力し、
地区の皆さんと協議を重ね、地域に合わせた体系や仕組みを構築するサポートを行ないました。地区の子供たちの絵
を回数券にプリントしたり、増便のためのアンケート調査を実施したりと地域ならではの工夫を重ねながら運行され
ています。
【活動例~福祉有償運送の場合~】
□平成18年の道路運送法改正にともない、福祉有償運送運転者に必須条件である認定講習を毎年開催しています。
□福祉有償運送を始めようとする団体からの行政への手続き及び運行開始手順等の相談をお受けしています。
【活動例~施設送迎運転者勉強会~】
平成27年度より、障がい者や高齢者の福祉・介護施設向けの『施設送迎運転者勉強会』を開催しています。
デイサービス送迎中の交通事故・乗降中の転落事故など痛ましい事故が各地で続発し、その対策が喫緊の課題と
なっているため、やまがた福祉移動サービスネットワークでは認定講習等の経験を踏まえ、デイサービス事業所
などの送迎運転者の皆さんを主な対象とした勉強会を置賜、最上、山形、庄内の各地域で開催しています。
平成28年度からは新たに実技演習を加えた内容で、且つ開催回数を増やして実施しています。